Java Silverの試験は、現在「SE11」と「SE17」の2つのバージョンから選べます。
どちらを選べばよいか迷っている方も多いのではないでしょうか?
「SE11の方が教材が多くて安心?」「でもSE17の方が新しいって聞くし…」
結論から言うと、特別な理由がなければSE17がおすすめです。
この記事では、SE11とSE17の違い・難易度・試験範囲・選ぶべき人の特徴を徹底比較し、あなたに合った選び方を提案します。
迷いをスッキリ解消して、最短で合格への一歩を踏み出しましょう。
Java Silver SE11とSE17の違いとは?

Java Silverは、オラクル社が提供するJavaプログラミングスキルを測定する資格であり、正式には「Oracle Certified Java Programmer, Silver」と呼ばれます。
この資格には複数のバージョンがあり、SE11(Java Platform, Standard Edition 11)とSE17(同 17)が現在の主な選択肢となっています。
「どちらを選ぶべきか?」で迷う方も多いですが、まずはその試験構成や出題範囲の違いを整理しておきましょう。
試験形式と難易度の違い
Java Silverの試験は、いずれも選択式(複数選択・単一選択)で出題されます。
ただし、SE11とSE17では、試験時間と問題数に大きな違いがあります。
バージョン | 試験時間 | 問題数 | 合格ライン | 1問あたりの配点 | 合格に必要な正答数 |
---|---|---|---|---|---|
SE11 | 180分 | 80問 | 63% | 1.25点(80問で100点満点) | 51問(≒63点)以上 |
SE17 | 90分 | 60問 | 65% | 約1.67点(60問で100点満点) | 39問(≒65点)以上 |
SE17は試験時間がSE11の半分(90分)になった一方で、問題数は25%しか減っていません。
このことから、SE17はより短時間で的確に解答していく集中力と判断力が求められる構成となっており、そういった観点での難易度が上がったと言えそうです。
出題範囲の違いとJava仕様の差
試験で問われるトピックそのものは、Java言語の基本文法やオブジェクト指向、例外処理、APIの活用といった共通の領域が中心ですが、Javaのバージョンが異なるため、出題範囲の細部や注目される文法に差があります。
SE17ではSE11以降に追加された以下の仕様が試験範囲に含まれる可能性があります:
Record
クラス、Sealed
クラスswitch
式(switch文では無い)instance of
のパターンマッチング
一方でSE11の試験範囲にあったモジュールシステムがSE17では範囲外となり、Java Gold SE17の試験範囲に変更となっています。この変更について公式に発表されていないので推測になりますが、Silverレベルに求める知識の再定義、新しい言語機能へのフォーカスが理由だと思われます。
SE11を選ぶのはこんな人だけ【3つの明確な条件】

Java Silverの受験バージョンとして「SE11」と「SE17」のどちらを選ぶべきか──
結論として、特別な理由がない限り、SE17を選ぶのが合理的です。
ただし、以下のようなケースに限っては、SE11を選んでも問題ありません。
あなたがどれかに当てはまるか、チェックしてみてください。
条件1:SE11の教材(黒本など)をすでに持っていて、買い直したくない
「黒本(徹底攻略 Java SE 11 Silver 問題集)」をすでに購入していたり、譲り受けて手元にある場合は、あえて教材を買い直さずにSE11で受験するという選択肢もあります。
2025年現在では、SE17版の黒本も出版されていますが、ネット上の解説記事や過去問情報などは、依然としてSE11の方がやや充実している傾向があります。
すでに学習を始めている方にとっては、SE11の方がスムーズに進められるでしょう。
ただし、学習環境の差は縮まりつつあります。SE11だからといって有利になるわけではなく、あくまで教材入手コストを抑えたい場合の限定的な選択肢です。
条件2:試験に慣れておらず、時間配分に不安がある
SE11の試験時間は180分・80問。1問あたり約2.25分の余裕があります。
一方、SE17は90分・60問。1問あたり1.5分しかないため、ややスピード勝負です。
「試験形式に慣れていない」「落ち着いて解きたい」「時間に追われるのが苦手」と感じる方は、SE11の余裕ある試験構成が安心材料になるかもしれません。
とはいえ、SE17はモジュールシステムの出題がないことで試験範囲がやや狭くなったという利点もあるので、時間配分だけでなく、全体の学習コストも比較して判断した方がよいでしょう。
条件3:現場でSE11以下が使われており、資格を実務に活かしたい
もしあなたが既にJavaを使った現場で働いており、SE11以下のバージョンが業務で使われているのであれば、
資格学習を通じて理解を深めやすいというメリットがあります。
この場合、「資格を転職に活かす」というよりも、今の業務の知識補完としてSE11を選ぶのは合理的です。
ただし、これから新しい現場に移りたい、キャリアを伸ばしたいという方には、SE17の方が将来的に有利になる可能性が高いです。
上記のどれにも当てはまらないなら、SE17一択です
SE17の教材や情報も今後増えていく傾向にありますし、SE11でなければならない理由は上記のように限定的です。
「試験時間が短い」などの不安要素はあるものの、難所のモジュールシステムが対象外になっているため、SE11と共通の基本部分をしっかりと押さえればデメリットほぼ無いと言えます。
🔷あなたがもし、「なんとなくSE11が安心そう」と感じているだけなら、SE17を選びましょう。
次のセクションでは、「なぜ今、SE17をおすすめするのか」を詳しくご紹介します。
SE17をおすすめする理由【迷ったらSE17を選べばOK】

Java Silverの試験バージョンで迷ったとき、「特別な理由がなければSE17」という判断が現実的です。
ここでは、SE17をおすすめする3つの明確な理由を、根拠とともに解説します。
理由1:より新しいJava仕様に準拠しており、今後の主流になる
SE17の試験では、よりモダンなJavaの文法や書き方が一部出題範囲に含まれています。
具体的には、以下のような機能に対応したコードを読む力・理解する力が求められます:
record
クラス、sealed
クラスswitch
式instanceof
パターンマッチング
これらは、冗長なコードを簡潔に書くための機能であり、これからの現場で活用される場面が増えていくと予想されます。試験を通じてこうした文法に触れておくことで、「ただの資格勉強」にとどまらない実務力の下地作りが可能になります
理由2:試験が見直され、学習効率が改善されている
SE17では、SE11に比べて試験設計がコンパクトに再構成されています。具体的には以下の通りです:
比較項目 | SE11 | SE17 |
---|---|---|
出題数 | 80問 | 60問(-25%) |
試験時間 | 180分 | 90分(-50%) |
モジュールシステムの出題 | あり | なし(削除) |
新しい文法(record, switch式など) | なし | あり(影響は軽微) |
全体の学習負担 | やや多め | やや軽め(モジュールシステムの難所が削除) |
特に、モジュールシステムのような難解なトピックが除外されたことで、学習計画を立てやすく、学びのストレスが軽減されていると感じる方も多いはずです。
理由3:キャリアの先を見据えたアピール力がある
資格は“取得すること”が目的ではなく、“取得した先にどう活かすか”が重要です。
SE17で最新仕様に対応した試験に合格していることは、以下のような印象を与えることができます:
- ✅ 技術の変化に対応しようとする姿勢
- ✅ 古い知識にとどまらず、自発的にアップデートしていること
- ✅ 実務でも使える文法を理解している柔軟性
転職やキャリアチェンジを考えている方にとっては、SE17の方が将来的な評価を得やすい選択肢といえるでしょう。
「自分で最新技術をキャッチアップしようとする意欲のある人だな」と伝わりやすくなります。
結論:SE17を選ぶ理由は「今」と「未来」の両方にある
- 学習しやすく再設計された試験構成
- モジュールシステムが削除され、効率よく対策可能
- 実務力・転職力につながるモダンな内容
- 教材(黒本など)も2025年時点で出版済みで安心
✅ SE11でなければならない理由がなければ、SE17を選ぶのが合理的です。
SE17に対応した教材も続々登場しています。迷ったらまずは黒本・紫本から始めてみましょう。
詳しい教材選びはこちらを参考にしてください。

次は、「SE17やSE11に関してよくある質問(FAQ)」にお答えしていきます。
よくある疑問(FAQ)

Java Silver SE11とSE17の違いについて調べている方から、よく寄せられる質問にお答えします。
どちらを受験するか迷っている方が感じやすい「不安」や「勘違い」を解消しましょう。
Q1. SE17の過去問が少なくて不安です
SE17には「過去問」が存在しません。
そもそもOracleは公式に過去問を公開していないため、どのバージョンの試験でも過去問は配布されていません。
そのため、SE17の受験対策においては、ネット上に存在する過去問に頼ることはできません。
代わりに、以下の対策方法が主流です:
- 黒本(徹底攻略Java SE Silver問題集):解説が豊富で、試験の形式に合わせた模擬問題が掲載されています。
- 紫本(オラクル認定資格教科書):黒本と並ぶ定番の教材として、模擬試験や各セクションごとの練習問題を提供しています。
- TechProJINなどの練習サイト:実際の試験内容に近い問題を解くことができ、試験の傾向を把握するために活用できます。
- UdemyやYouTubeなど:SE17対策動画や講座も増えており、視覚的に学習を進めたい方に適しています。
✅「過去問は存在しないが、模擬試験や練習問題を活用することで十分に対応可能です。信頼性のある教材と練習問題を繰り返し解くことで、実際の試験に慣れることができます。
模擬試験や練習問題の具体的な活用法はこちらで詳しく解説しています。

Q2. SE11とSE17、試験の難易度はどちらが高いの?
これはよくある質問ですが、「どちらが簡単/難しい」とは一概に言えません。
比較ポイントは以下の通りです:
観点 | SE11 | SE17 |
---|---|---|
試験時間 | 180分 | 90分 |
出題数 | 80問 | 60問 |
1問あたりの持ち時間 | 約2分15秒 | 約1分30秒 |
合格ライン | 63% | 65% |
出題範囲 | 基本+モジュールシステム | 基本+新機能(record, switch式など) |
SE17の方が試験時間が短く、問題数の減少幅も少ないため、1問ごとのスピードと正確さがより求められる構成です。
また、SE17では理解が難しいモジュールシステム無くなった反面、以下の最新のJava仕様が出題対象に加わっています:
record
クラス、sealed
クラスswitch
式instance of
のパターンマッチング
これらの文法はそれほど難しいくはありません、今までにない仕様なので事前にしっかりと理解しておく必要があります。
✅ SE11は試験時間に余裕があるが、難所であるモジュールシステムが範囲に含まれる。SE17はスピードと正確性で解き進める必要があるという、異なった難しさがあります。
Q3. Java Silver 8/11/17の違いが知りたい
ざっくりまとめると、以下のような違いがあります:
項目 | SE8 Silver | SE11 Silver | SE17 Silver |
---|---|---|---|
試験名 | Java SE 8 Programmer I | Java SE 11 Programmer I | Java SE 17 Programmer I |
試験番号 | 1Z0-808 | 1Z0-815-JPN | 1Z0-825-JPN |
試験時間 | 120分 | 180分 | 90分 |
出題数 | 56問 | 80問 | 60問 |
合格ライン | 65% | 63% | 65% |
受験料 | 37,730円 | ||
特徴 | 最も古い。(2025年7月16日 配信終了予定) | 長く主流。モジュールシステムあり | 出題範囲整理。現代的文法追加(record等) |
SE8はOracle認定資格としては終了予定です(執筆時点)。そのため、これから受験するならSE11またはSE17の二択です。
まとめ|「SE11を選ぶ明確な理由」がなければ、SE17を選ぼう
Java Silverの受験を検討する際、「SE11とSE17のどちらにするか」で迷う方は多いかもしれません。しかし結論として、特別な理由がない限り、SE17を選ぶのが合理的です。
SE17は最新のJava仕様に基づいており、今後の教材・講座の整備もこのバージョンにシフトしていきます。今後のキャリアアップや転職を見据えて資格を取得したい方には、SE17が最適です。新しいJava文法(Recordなど)にも触れられるため、実務でも活用の機会が多くなります。
一方で、次のような事情がある方には、SE11を選ぶ価値があります:
- 現場で使用しているJavaバージョンがSE11で、学習との親和性を重視したい
- 限られた時間の中で効率よく学習し、確実に合格する必要がある(SE11は試験時間が長め)
- すでに黒本などSE11対応の教材を持っており、またSE17を取得する必要も無い
このように、SE11を選ぶのは「選ぶ明確な理由」がある場合だけです。
迷っている方は、自分が資格を通じて「何を目指すのか」を一度立ち止まって考えてみてください。
目的がキャリアの向上や転職活動でのアピールであれば、迷わずSE17を選びましょう。
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