Java SE 認定資格はJavaプログラマが取得しておくとスキルの証明になり、キャリアを形成していく上で有利になりなる資格です。
しかし、初学者が受験するには難しい資格でもありますし、受験費用も高額なため難易度をしっかりと把握せずに受験すると大変な目にあいます。
本記事ではJava SE Gold(最上位資格)取得者である私がJava Silverの難易度を、開発経験別にどのくらいの難易度になるかを徹底的に分析し、より確実に取得できるようにアドバイスしていきます!
なぜSilverの難易度を中心に考えるのか?
それは、Silverを取れるレベルであればBronzeは要りませんし、Silverを持っていないとGoldは受験できないからです。
なのでSilverから取得するのか、それともBronzeからの方がいいのかをしっかりと把握して確実に取得していきましょう!
資格の種類
Bronze (Java SE Bronze)
Bronzeは、Javaプログラミングの基礎知識を証明するエントリーレベルの資格です。Javaを初めて学ぶ人や、Javaの基本スキルを公式に認定したい人に適しています。
公式には以下のように記載されています。
言語未経験者向けの入門資格で Java 言語を使用したオブジェクト指向プログラミングの基本的な知識を有すること を評価することを目的としています。
つまりこの資格は知識を証明するものであり、技術力を証明するものにはなりません。
Siler (Java SE Programmer I)
Silverは、Javaプログラミングの中級レベルの知識とスキルを証明する資格です。基本的な文法や構文に加え、オブジェクト指向プログラミング(OOP)の実践的な理解や、Javaの標準APIを活用したアプリケーション開発能力が問われます。
公式には以下のように記載されています。
Javaアプリケーション開発に必要とされる基本的なプログラミング知識を有し、上級者の指導のもとで開発作業を行うことができる開発初心者向け資格です。日常的なプログラミング・スキルだけでなく、さまざまなプロジェクトで発生する状況への対応能力も評価することを目的としています。
つまりこの資格は初級の開発技術を持っていることを証明する資格となります。
Gold (Java SE Programmer II)
Goldは、Javaプログラミングの高度なスキルと専門的な知識を証明する上級資格です。業務レベルでのアプリケーション開発や設計に必要なスキルを網羅し、Java開発者としてのプロフェッショナルな能力を認定します。
公式には以下のように記載されています。
設計者の意図を正しく理解して独力で機能実装が行える中上級者向け資格です。Javaアプリケーション開発に必要とされる汎用的なプログラミング知識を有し、設計者の意図を正しく理解して独力で機能実装が行える能力評価することを目的としています。
つまり中上級の開発技術を持ち、自走できることを証明する資格となります
- Bronzeは知識を証明する資格で、技術力を証明するものではない。
- Silverは初級の開発技術を証明する資格である。
- Goldは中上級の開発技術と自走できることを証明する資格である。
Silver の受験難易度
開発技術者として技術を証明するにはSilver以降を取得する必要があります。
もしSilverが難しいという場合はまずBronzeという流れになるので、ここではSilverの難易度を把握していくことにします。
開発未経験者の場合
難易度の印象
非常に難しい (★★★★★)
理由
- Java の基本的な構文やコアライブラリ、オブジェクト指向の概念を問う内容ですが、プログラミング自体が未経験の場合は、すべてが新しい知識になり学習コストが高い。
- 試験範囲には「ラムダ式」や「Stream API」など、初心者には難解なトピックも含まれる。
- エラーメッセージや例外処理の問題は未経験者にとって特に理解が難しい。
学習のポイント
- Javaの基礎から丁寧に学習することが必要。入門書や動画教材を使って、まずはプログラミングに慣れることが重要です。
- 実際にコードを書いて試す時間を多く取ることで、文法やルールの理解が深まります。
目安の学習期間
6~12か月 (1日1~2時間の学習)
開発初心者の場合 (Java 学習歴数か月〜1年程度)
難易度の印象
難易度の印象: やや難しい (★★★★☆)
理由
- Java の基本構文や基礎的なプログラミング経験があれば、問題文自体は理解できる場合が多いです。
- ただし、試験ではJava の仕様に基づいた細かい動作も問われるため、単なるコーディング経験だけでは対応が難しい場合があります。
- 特に配列、ラムダ式、Stream API、例外処理などに関する知識は実務でも馴染みが薄いため、試験対策が必要です。
学習のポイント
- 業務では意識しなかった細かい仕様の理解と挙動を把握する必要があります。そのために模擬試験や問題集を活用した試験対策が必要です。
- 実際に手を動かして、試験範囲のコードを書くことで細かい仕様の理解が進みます。
目安の学習期間
3~6か月 (1日1~2時間の学習)
開発経験者 (経験2〜3年以上)
難易度の印象
普通 (★★★☆☆)
理由
- 開発経験がある場合、基本的な文法やAPIの使用は日常的に行っているため、試験の基礎的な部分は理解しやすいです。
- ただし、試験では「開発経験があっても知らなかった細かい仕様」が出題されることがあります。例えば、アクセス修飾子やデフォルトメソッドの動作に関する問題、静的初期化ブロックや配列操作などです。
- これらの細かい仕様は業務で頻繁に使わない場合も多く、試験前に復習が必要です。
学習のポイント
- 十分に把握していなかった細かい仕様を把握するために試験の公式シラバスに基づいた復習が必要です。
- 業務ではあまり使わない範囲 (ラムダ式、Stream API など) を重点的に学習しましょう。
目安の学習期間
1~3か月 (1日1時間程度の学習)
経験別のSilver取得の難易度です。あなたはどこに当てはまりますか?
レベル | 難易度 | 学習期間の目安 | 主な課題 |
開発未経験者 | ★★★★★ | 6~12か月 | 基礎からすべて新しく学ぶ必要がある。 |
開発初心者 | ★★★★☆ | 3~6か月 | 細かい仕様や特殊なトピックが難しい。 |
開発経験者 | ★★★☆☆ | 1~3か月 | 業務で頻繁に使わない細かい仕様の復習が必要。 |
どの資格に挑戦すべきか?
Bronze から段階的に目指す場合
メリット
- 基礎力を固められる
- Java の基礎(変数、制御構文、クラスとオブジェクトなど)が中心で、Silver より難易度が低いため、未経験者にとって学習の負担が軽い。
- 学習内容が Silver の土台になるため、Silver の学習にスムーズに移行できる。
- 短期間で結果が得られる
- Silver より範囲が狭く、約1~2か月の学習で合格を目指せるため、効率的にステップアップが可能。
- 「とりあえず合格」という成功体験を得ることで、モチベーションアップにつながる。
- 開発経験を積む前の資格としてアピールしやすい
- 開発未経験者向けの資格であるため、初学者の習熟度を証明する材料として活用できる。
デメリット
- コストがかかる
- Bronze 試験の受験料(約 16,500 円)と Silver 試験の受験料(約 37,000 円)の両方が必要。
- 資格を評価されない可能性
- あくまで知識を評価する試験なので技術力の証明にならない。
Silver から挑戦する場合
メリット
- スキル証明になる
- Silver は、就職や転職市場で未経験者でも一定のプログラミングスキルをアピールできる資格として認知されている。
- Bronze と異なり、「基礎だけでなく実務的な知識も持っている」と判断されやすい。
- 学習時間を一度にまとめられる
- Bronze は Silver の内容と重複する部分が多いので、Silverを学習することでBronzeも学習したことになる。
- 一気に深いレベルまで学ぶことで、Java の全体像を早期に理解できる。
- 受験費用を節約できる
- Bronzeの受験費用が抑えられる。
デメリット
- 未経験者にはハードルが高い
- オブジェクト指向やラムダ式、Stream API など難しいトピックも含まれるため、挫折するリスクがある。
- 達成感を得られるまで時間がかかる
- 学習期間が長期化しやすい(6か月~1年程度)。
- Bronze をスキップするため、達成状況が見えにくくなり、モチベーション維持が難しくなる可能性がある。
どちらが適しているかの判断基準
Bronze から段階的に挑戦するのが良い場合
- 学習に対する不安が強い
- 開発未経験者や、いきなり Silver の内容を理解できるか不安な人
- 短期間で成功体験を得たい
- 小さな達成感を積み重ねることでモチベーションを保ちたい人
- 就職活動で早期にアピールしたい
- 未経験者向けの職種で、基礎的な資格があれば有利になる人
Silver から直接挑戦するのが良い場合
- 学習時間を確保できる
- まとまった時間をかけて、基礎から応用までじっくり学習する余裕がある人
- 開発経験者を目指している
- 就職や転職で一定のスキルを証明したい人(Silver の方が開発者として評価されやすい)
- コストを重視したい
- Bronzeの受験費用を抑えたい人
- 既に開発経験があり、自身のスキル証明として取得したい人
- 開発未経験者または就職活動や資格取得の実績を重視する場合、Bronzeから受験して段階的に進む方がよい。
- 開発経験者またはJava の実力を証明したい場合、最初からSilverを目指す。
- Bronzeの試験範囲の多くがSilverに含まれているので、実質的な勉強時間はあまり変わらない。ただし、Bronze取得により短期的なモチベーションが維持できる。
おすすめの学習ステップ
Bronze → Silver と段階的に挑戦する場合
学習プラン
目的: Java の基礎知識を習得し、試験の形式に慣れる。
Java の基本文法(変数、型、制御構文など)を学習。
オブジェクト指向、配列、例外処理の基本を習得。
模擬問題を解きながら試験形式に慣れる。
ここで一旦モチベーションが維持できる。
目的: 実務的な基礎知識を学び、次のレベルの応用力をつける。
試験範囲を順番に学習(コア API、継承、例外、Stream API など)
問題集を繰り返し解く。
弱点を集中学習し、模擬試験で最終調整。
おすすめ教材
鉄板の黒本です。これ1冊あれば大抵合格できます。
Silver から挑戦する場合
学習プラン
目的: Java Bronze の範囲を含めた基礎を学ぶ。
変数、型、制御構文、配列をマスター。
オブジェクト指向(クラス、メソッド、継承)を学習。
コア API(文字列操作、コレクション、例外処理)を習得。
目的: Silver の全範囲をカバーし、実務でも使える基礎を身につける。
Java の応用知識(Stream API、ラムダ式、マルチスレッド)を学習。
問題集を繰り返し解き、弱点を補強。
模擬試験で本番形式に慣れる。
おすすめ教材
鉄板の黒本です。これ1冊あれば大抵合格できます。執筆時点での最新はJava17なのでこちらが推奨です。
共通の学習ポイント
1. 毎日少しずつ進める
- 短期集中ではなく、毎日少しずつ学習を進める(30分~1時間程度)。
- 試験範囲を小分けにし、計画的に進めることが重要です。
2. 模擬試験を活用する
- 実際の試験形式に慣れることが合格の鍵。複数回挑戦して理解を深める。(時間を測っておくと尚良し)
- 正誤の記録を付けると正確に不安ポイントを解消できる。
- 黒本の模擬試験を何週かしておくといい試験対策になる。
3. コードを書く習慣をつける
4. 質問や相談をためらわない
補足:学習中の注意点
- 焦らない: 特に未経験者の場合、基礎を飛ばして難しい内容に挑むと挫折しやすいです。無理せず段階的に進めることが重要です。
- 実務を意識: 学習中も「実務でどう使うか」を意識すると、試験範囲がより身近に感じられます。
- 記録をつける: 学習内容や進捗をメモするとモチベーションが維持しやすいです。
- Bronzeから段階的に受験しても、Silverを直接受験しても学習範囲は大きく変わらない。
- 学習プランを立てて計画的に取り組む。
- 黒本を活用し、模擬試験で試験対策をしっかりとしておく。
まとめ
- 開発経験で難易度は変わるので、自分に照らし合わせてしっかりと難易度を把握する。
- 開発未経験者、就職活動でのPR、資格取得の実績を重視する場合、Bronzeから受験して段階的に進むとよい。
- 開発経験者、Java の実力を証明したい場合、最初からSilverを目指す。
- Bronzeは約2か月、Silverは約4か月の学習期間が目安になる。(開発未経験者はもう少しかかる)
- 鉄板の教材は黒本。模擬試験を活用して試験対策するとよい。
Bronzeを受験する方におすすめの教材
Silverを受験する方におすすめの教材
Javaの受験費用は高額なので安く抑える方法をこちらの記事で紹介しています。
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